札幌市の池田詩梨(ことり)ちゃん(2)が母親と交際相手の男から暴行を受け衰弱死した事件で、北海道警が5月に母子と面会した際、札幌市児童相談所が同行を提案されながら、人手がないことを理由に断っていたことが、児相への取材で判明した。面会していれば虐待を確認できた可能性もあり、児相担当者は「本来なら行くべきだった。警察に任せてしまった」と説明した。
道警によると、5月12日に近隣住民から「子どもの泣き声がする」との110番があった。道警は自宅を訪れたものの詩梨ちゃんと会えなかったため13日、児相に「虐待の疑いあり」と通告。14日になって母子と15日夕に面会することが決まったため、児相に「母子と面会するが、同行するか」と連絡した。その際、児相側は「担当者が別件を抱え、対応可能な職員がいない」と断った。
道警は15日の面会で、詩梨ちゃんの頰にあざがあることや、足の裏にばんそうこうが貼られていることなどを確認。しかし、傷害容疑で逮捕された母親の飲食店従業員、池田莉菜容疑者(21)=札幌市中央区=が「ヘアアイロンを踏んだのでばんそうこうを貼っている」などと説明したため、虐待ではないと判断した。児相も道警から連絡を受け、同様の判断をしたという。
児相には昨年9月と今年4月にも、近隣住民から詩梨ちゃんに関する通告があったが、4月の通告時は面会できなかった。政府は東京都目黒区の女児虐待死事件を受け昨年7月、通告から48時間以内に子どもの安全確認をすることを通知。児相は、このルールを守っていなかった。
児相によると、職員1人当たり百数十件の案件を抱え、相談は24時間入ってくるという。児相担当者は「今回は判断が甘かった」とする一方、「乳幼児の泣き声などに関する通告は件数も多く、ジレンマを抱えている」と明かした。
事件は今月5日、やせ細った詩梨ちゃんが心肺停止の状態で病院に運ばれ発覚。道警は池田容疑者の他、交際相手で飲食店経営の藤原一弥容疑者(24)=同=を同容疑で逮捕し、十分な食事を与えないなどの保護責任者遺棄致死の疑いも視野に捜査している。【土谷純一、源馬のぞみ、山下智恵】
◇児相職員増やし身近な組織に
札幌市の諮問機関「市子ども・子育て会議」会長を務める金子勇・北海道大名誉教授(現代社会学)の話
警察は虐待問題の専門家ではなく、5月15日の時点で児相が面会していれば判断が違った可能性はある。これまで虐待で子どもの幼い命が奪われる事件は、いずれも児相と警察の連携に問題があるとされてきたが、児相は予防、警察は摘発が目的。双方のすれ違いを解消するのは簡単ではないが、連絡不足が発生しないよう、対応できる職員を増やし、交番のように身近にあり、虐待対策に特化した新たな組織を作ることが急務だ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190608-00000075-mai-soci
2019-06-08 12:48:03Z
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