アゼルバイジャンで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は6日、日本が推薦していた「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」(大阪府)を世界文化遺産に登録することを決めた。日本の世界文化遺産の登録は7年連続で19件目。世界自然遺産も含めた世界遺産は23件目となる。
古墳群は、古墳時代の最盛期(4世紀後半~5世紀後半)に、当時の政治や文化の中心地の一つだった大阪府南部地域に築かれたもので、墳形も規模も多様なのが特徴だ。
構成資産は、墳墓としては世界最大級の全長486メートルを誇る前方後円墳の大山(だいせん)古墳(仁徳天皇陵)など百舌鳥地域(堺市)の23基▽全長425メートルの誉田御廟山(こんだごびょうやま)古墳(応神天皇陵)など古市地域(羽曳野市、藤井寺市)の26基の計49基。
古墳群は大陸と結ぶ航路の発着地だった大阪湾に接する平野上に築造されており、内外に王権の強大さを誇示する狙いもあったとみられる。
49基のうち29基は歴代の天皇や皇后らの墓として宮内庁が管理する「陵墓」で、一般人の立ち入りが禁じられ、学術的な調査も制限されている。政府の推薦書で、大山古墳は「仁徳天皇陵古墳」、誉田御廟山古墳は「応神天皇陵古墳」などとなっているが、被葬者が学術的に確定していないとして、考古学や歴史学の専門家からは、地名に基づく名称で呼ぶべきだという指摘もある。
古墳群を巡っては、世界遺産の登録の可否を事前に審査するユネスコの諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)が今年5月、「傑出した古墳時代の埋葬の伝統と社会政治的構造を証明し、普遍的な価値がある」として「登録が適当」と勧告した。
来年は、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島県、沖縄県)の登録の可否が審査される予定。【水戸健一】
◇百舌鳥・古市古墳群
堺市の百舌鳥古墳群と、大阪府羽曳野市、同府藤井寺市の古市古墳群で構成される。4世紀後半~6世紀前半に造られた前方後円墳や円墳、方墳など大小さまざまな古墳89基が現存する。世界文化遺産候補の構成資産としては、5世紀後半までの保存状態の良い49基が選ばれた。
◇世界遺産
1972年の国連教育科学文化機関(ユネスコ)総会で採択された世界遺産条約に基づき、普遍的な価値がある遺跡や歴史的建造物、自然環境を人類全体の財産として保護する制度。2018年7月時点で文化遺産845件、自然遺産209件、複合遺産38件の計1092件が登録されている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190706-00000046-mai-cul
2019-07-06 08:57:57Z
52781798238764
Bagikan Berita Ini
0 Response to "百舌鳥・古市古墳群を世界遺産登録 ユネスコ 自然遺産含め23件目(毎日新聞) - Yahoo!ニュース"
Post a Comment