【ベイルート=金子靖志、ニューヨーク=村山誠】日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が国外逃亡した事件を受け、大久保武駐レバノン大使は7日、レバノンのアウン大統領と会談した。ゴーン被告の身柄引き渡しを求める日本の立場を伝えるとともに、引き渡しに関わる法的側面について意見交換するとみられる。
日本政府高官がレバノン首脳と直接協議するのは、ゴーン被告の逃亡後初めてとなる。日本政府は国際刑事警察機構(ICPO)を通じてゴーン被告を国際手配し、レバノンに身柄引き渡しを求めている。しかし、レバノンと日本との間に犯罪人引き渡し条約はなく、執行するかどうかはレバノンの司法判断に委ねられる。レバノンには自国民を外国に引き渡すことを禁じる国内法もある。
ただ、両国とも経済犯罪を防止するための国連腐敗防止条約に署名しており、大久保大使は会談で身柄引き渡しの実現に向けて、レバノン側の方針と法的見解を探るとみられる。
一方、米テレビFOXビジネス(電子版)は6日、ゴーン被告が取材に応じ、日産がゴーン被告を失脚させるためにクーデターを行ったとする「実際の証拠」を持っていると主張したと伝えた。ゴーン被告は8日に予定されている記者会見で、関係者の実名も明らかにするという。ゴーン被告は自身の逮捕の裏には「日本政府に関係する人物もいた」としている。
2020-01-07 13:29:00Z
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