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感染爆発の最前線、医療崩壊の「必然」に挑むニューヨーク - Newsweekjapan

<全米でもいち早く新型コロナ危機に目覚めたニューヨーク州のクオモ州知事が、毎日の記者会見で迫り来る運命を州民に語り、協力を求めながら対策を進めててきた医療崩壊との戦い>

米ニューヨーク州では新型コロナウイルスの感染者が急増しており、同州のアンドリュー・クオモ知事は3月26日の会見で、さらなる病床の確保が急務だと指摘。「今後どのようなシナリオでも、現在の医療システムの受け入れ能力では足りないのは明らかだ」と語った。

クオモは会見の中で、可能な限り感染者の増加を抑えるという目標は変わらないが、現時点では、病院が適切に対応できるレベルに抑えるのは無理だと説明。そのため、既存の施設を一時的に病院として使用することで病床を増やせないか、検討しているところだと語った。

現在、米陸軍工兵隊がニューヨーク市の見本市会場ジャビッツ・センター、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校、多目的アリーナのウェストチェスター・カウンティセンターとニューヨーク州立大学オールド・ウェストバリー校のキャンパスに仮設病院を設立中。この4カ所に加えて、当局がさらに仮設施設の建設地を探しているところだという。最終的にはマンハッタンの5つの区すべてと、隣接するナッソー、サフォーク、ウェストチェスターおよびロックランドの各郡にそれぞれ1000床以上を確保することが目標だ。

病床を5万から14万に

ニューヨーク州は新型コロナウイルスの感染拡大が米国内で最も深刻で、ジョンズ・ホプキンズ大学によれば国内の感染者6万9246人のうち3万3000人以上を占めている。ほかの州に比べて死者の数も最も多く、これまでに少なくとも353人が死亡した。

クオモはまた、同ウイルスに感染しても大部分の患者は大がかりな治療を受けずに回復できるが、約15%の患者は入院の必要が生じると説明。65歳以上の高齢者や持病のある人など抵抗力の弱い人々が、入院する可能性が高いとした。

感染の拡大を抑えるために、クオモは住民同士の接触を制限する複数の措置を導入。レストランやバーの営業はテイクアウトか宅配サービスのみに限定し、規模にかかわらず全ての集会を禁止し(食料品店や薬局などの)。生活必需品を除く全ての店舗の閉鎖を命じた。

並行して、病院の受け入れ能力を拡大するための手も打っている、とクオモは説明。寮やホテルなどの既存の施設を病院として使うだけでなく、各病院に対しては、受け入れ能力を現在の1.5倍から2倍に増やすよう求めた。最終的には病床数を現在の5万3000床から14万に増やしたい考えだ。

<参考記事>「アメリカの医療システムは新型コロナの津波に呑み込まれる」
<参考記事>3Dプリンターとシュノーケリングマスクで人工呼吸器の試作に成功、伊ベンチャー

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2020-03-27 07:15:00Z
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