東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの準備状況等を確認する国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会の事務折衝「エグゼクティブ・プロジェクト・レビュー」が16日、電話会議で行われ、終了後に組織委の森喜朗会長(82)と武藤敏郎事務総長(76)が会見した。

森会長はIOC側の出席者、ジョン・コーツ調整委員長(69)の冒頭あいさつに続き「IOCと大会延期に伴う枠組みについて合意できた。5年、6年かけて準備してきたものを今後1年で推し進める上で重要な成果だと考えている。共同ステートメント(声明)には延期によるコスト削減も盛り込んだ。IOCと組織委は、延期による追加経費が共通の課題として議論していくことで合意した」と読み上げた。

日程については「20年の会場と競技日程を踏襲することが望ましい」で一致。各会場に再度の使用を要請し「理解を求めていく」とした。「要請には丁寧な対応が必要で、相手があること。真摯(しんし)に向き合い、来年の開催に向けてご理解を得ないと。引き続き、すべての関係者の皆さまと緊密に連携し、開催に向けて努力したい」と述べた。

IOC側が明言しなかった大会の追加経費負担について質問されると「これから精査していく。調査を進めているところだ。延期という、かつてない出来事。どれぐらいの負担があるのか。IOCも、ともに考えていただかなければいけない部分もある。まだ話し合いを始めたばかり。基本的には、できる限り追加コストを削減していく方向で努力していくところは、異論がないところ」と答え、IOCに負担を求める考えを示した。

今夏と同じ会場を使用する方針について「いつまでに確定させる予定か」と聞かれると「これも、会場によっては契約上の違いがある。施設を持っているのが民間の場合も公の場合もある。よく精査をしないと一元的に、いつまでに決めるとは言えない。相手方に対して丁寧に、1つ1つ、きめ細やかに進めて協力を求めていきたい」と慎重に話した。