
青い空と濃い緑に、真っ赤な首里城はいつも鮮やかに映えていた。取材で沖縄を訪れるたびに足を運んだ、高台にそびえる琉球王国の遺産。その沖縄の誇りと人々の心のよりどころが、炎のなかに消えてしまった。漆黒の闇に噴き上がる火柱を、人々はなすすべもなくぼうぜんと眺めた。
首里城は15世紀、北山、中山、南山の各勢力が割拠する三山時代をへてひとつにまとまった琉球王国の居城だ。琉球王国は日本や中国と交流し、東南アジアまで及ぶ海上交易ネットワークを構築した海洋国家だった。その首都に築かれた王城は、地元でグスクと呼ばれる城の石垣が優美な曲線をなし、同じころの本土の城の武骨な石垣とは趣を異にする。
そんな首里城は、日本本土とは別の道を歩んだ沖縄の歴史を体現し文化の多様性を物語る存在であり、地元のアイデンティティーの中核だった。近世の薩摩の侵攻や、明治政府による日本に編入された琉球処分に始まる苦難の証言者でもあり、歴史に翻弄(ほんろう)された沖縄の歩みそのものだったと言える。
大正時代に国宝に指定されたが…
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2019-10-31 03:17:00Z
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